このJHDCという大会を僕がどう捉えているかと言いますと、
ある王国を仕切っている女王、クイーンがおりまして、
うちの女社長をイメージしてもらえたらいいのですが、そのクイーンが興味本位でコーヒーを淹れてみるもののどうもうまくないのです。
私が飲みたいコーヒーはこれじゃない!
もっと、薄すぎずに飲みごたえがあって、でも重すぎずに雑味なく、熱い時も冷めた時も美味しくて、それでいてそのコーヒー豆の個性をしっかり感じるような…
そんなコーヒーを淹れたいのじゃあ!
あと面倒なことはしたくない、簡単に淹れられて時間もそんなにかけたくない!
それとお父様とお母様にもコーヒーを同時に淹れてあげたいの。
クイーンが淹れたコーヒーは本当に美味しいと褒められたいの!
と、ご機嫌斜めなクイーンは朝から宮殿内で荒れまくり、困り果てた従者が街に御触れを出しました。
『クイーンが美味しいコーヒーを淹れられるように、みんなでがんばろ。』
その声に立ち上がった道具屋の皆さんは、クイーンでも扱いやすくテンションが上がるようなオシャレな器具をいくつか献上する。
コーヒー豆屋さんはクイーンの気分に合わせられるようないろいろなコーヒー豆を献上する。
そしてコーヒーを淹れることに慣れている者たちが、クイーンでも楽しんで飽きずに美味しいコーヒーを淹れられそうなレシピを献上することとなるわけです。
従者達による審査が行われ、それに通過したレシピを考えた者が、予選突破。
次はクイーンの前で実演しても失礼がないか、プレゼンテーション込みでの審査、つまり決勝が行われます。
その中から、これならばクイーンも喜んでくださるだろうという一人を選び、その者がクイーンにコーヒーの淹れ方を伝えにいくことになります。
その者は、荒れ果てた部屋で不貞腐れているにクイーンにコーヒーを淹れる素晴らしさ楽しさを語ります。
クイーンが興味を示し、
クイーンがコーヒーポットを手にする、
気まぐれなクイーンが最後まで飽きずにコーヒーを淹れてくれるのか、
そして実際にご自身で淹れたコーヒーを飲み、笑顔になってくださるのか…
これに関わった者は全員、固唾をのんで見守ります。
もしクイーンが笑ってくださったならば、みんな一斉に歓喜し、
よかったなぁ!
クイーンが笑ってくださった!
隣にいる者の肩を叩くのです。