こうして片付けに手間取り、社長にのろまと罵られる。

今日の営業も終わり、洗い物をしてエスプレッソマシンを閉めてシンクを拭きあげて外に出していた植物を店内に運び…

時計を見つめて帽子を外し、コーヒーを飲みたいなぁと思うものの洗ったばかりのグラスを出すのも嫌だし乾燥したシンクを濡らすのも嫌だ。

でもどーにもこーにもやる気が出ない。

とりあえず座る。

座りながらカウンターをぼんやり見つめ、

今日はあの人が来てくれた。

あの時のコーヒーはあんな味だった。

あのカフェラテはなんでああなったんだろ。

なかなか自分が思うようにはいかない。

でも楽しかった。

飲めるものならお酒が飲みたい。